AIの基礎から実用まで:AIの基礎知識からAIの種類、生成AIの紹介!

現代社会において大きな注目を集めており、様々な場面で活躍し進化し続けている「AI技術」AIについての基礎知識や種類のほか、どのような分野でAIが応用されているのかを解説します。また、近年耳にする機会の増えた「生成AI」についても紹介します。話題になったチャットGPTなどのほか、画像や動画、音声などを生成できるAIについても解説していきます。

目次

AIの基礎知識

AIの歴史


AIとは、人工知能(Artificial Intelligence)の略称であり、簡単に言うと「人工的に作られた知能」という意味になります。AIの歴史は、人工知能の概念が定義された1950年代から始まりました。その後、何度かの「人工知能(AI)ブーム」を経て、2000年代に入るとコンピューターが自動で大量のデータを解析する「ディープラーニング」と呼ばれる技術が実用化されたことにより、さらに私たちの生活の中で活躍するようになってきました。

「機械学習」「ディープラーニング」とAIとの違い

AIについて学んでいると、「機械学習」「ディープラーニング」というキーワードも耳にします。これらとAIとの違いが曖昧という人も多いのではないでしょうか。
これら3つに違いはないように思われることもありますが、厳密に言うとAIという概念の中に「機械学習」が包括されており、さらにその機械学習の中に「ディープラーニング」という技術が含まれています。

MarkeZine(マーケジン)


ディープラーニングとは

近年になってAIがますます進化し、様々な場面で活躍するようになったのには、上記で触れた「ディープラーニング」の技術が登場したことによります。
従来のAIは、人間が大量のデータをインプットすることによってデータ解析を行っていましたが、ディープラーニングでは自らインターネット上にあふれる膨大な情報を学習・推論することが可能になります。人間の脳神経系のニューロンをモデル化した「ニューラルネットワーク」と呼ばれる仕組みにより、人間の学習能力が再現さされているのが特徴です。

AI技術の種類

一言でAIと言っても、AIが実現できる内容や技術によって分類されています。AIには、以下のような種類があります。

領域による分類

  • 特化型人工知能(AGI)
    特化型AIは、その名の通り特定の領域において特化した能力があるAIです。音声認識や画像認識のほか、ゲームの対戦、自動運転といった様々な分野で、限定された範囲の問題を解決します。
  • 汎用型人工知能(GAI)
    汎用型AIは、複数の領域にわたる問題の解決が可能なAIです。ある特定の領域でのみタスク解決をする特化型AIとは異なり、人間の知能と同様にAI自らが思考し、問題解決を実行できるという点が特徴です。ただし、現時点では技術面や倫理面において様々な問題が残っており、実用化には至っていないのが現状です。

技術による分類

  • 画像認識・画像解析
    写真などの静止画や動画などを分析し、映っているものや人物を認識する技術です。「画像に何が映っているのか」を判別し解析し、様々な場面で活躍しています。例えば、防犯カメラから特定に人物を割り出すといった防犯での利用、また工場などでは不良品や異常の検知といった使われ方をされています。
  • 音声認識・音声分析
    音声データを分析し、人が話している音声などを抽出する技術も、多くの業界で活用されています。音声データをテキストに変換するなどの処理ができるため、会議での議事録の自動生成や自動翻訳といった場面で活躍しています。また、スマートフォンでのAIアシスタント、コールセンターでの会話型AI対応などの分野にも応用されています。
  • 自然言語処理
    自然言語処理とは、人間が日常的に使っている自然な言語の膨大なテキストデータをコンピューターが分析する技術です。AIを活用することにより、チャットボットや機械翻訳、文章要約といった分野で私たちの生活の中で活用されています。
  • 未来予測・異常検知
    大量のデータを分析するAI技術は、未来予測や製造業などにおける異常検知にも役立っています。既存のデータを分析することによって、商品の売上予測や原材料の需要予測といった未来予測のほか、過去のデータを学習することによる製品の異常検知などの領域でも活躍しています。

AIの応用分野

上述したように、AI技術には様々な種類があり、私たちは日々その恩恵を受けています。日本では、中国や米国、欧州の主要国と比較するとAIの導入状況は下回っているのが現状ですが、多くの産業分野において徐々にAI技術の導入が進んでいます。特に、製造業の分野でもっともAIの導入が進んでおり、今後もAIの導入による経済成長が期待されています。
ここでは、産業別のAI技術の応用例と日常生活でのAI技術の応用例を挙げてみます。

産業別応用例

  • 製造業
    国内でもAIの導入が進んでいる製造業は、大企業のみならず中小メーカーでも比較的導入が進んでいる分野です。少子高齢化が進んでいる国内では、製造業における人手不足が深刻な問題となっており、効率化が大きな課題となっています。さらに、データ分析などにAIを導入することにより、生産する商品や原材料のニーズなどを把握することができ、コストカット競争力強化といったメリットに繋がります。
    また、一言で製造業といっても、その内容は多くのプロセスに分かれており、それぞれのプロセスによって活用されるAIの種類も変わってきます。
    • 品質検査・検品
      先述した画像認識・画像解析のAI技術を用いることにより、工場などの製造ラインにおける不良品や不具合を検知し、品質検査や検品の効率化を図ることが可能になります。人間の目視による検品よりも高い精度で不良品を検知することができるため、検品に関わるコストの削減というメリットになります。
    • 生産管理
      製造業では、実際に製品を製造する製造ラインだけでなく、生産管理の領域においてもAI技術が活躍しています。過去のデータのみならず、消費者の動向、社会情勢など様々な要因から分析し、製品の需要予測や原材料の管理などが高い精度で実現できるようになります。
  • 小売業
    製造業と同じく、小売業においても人手不足が深刻化しており、業務の効率化などが課題となっています。AIを導入することにより、労働力不足解消をはじめ商品発注の効率化、食品ロスの解消など、多くのメリットが期待できます。
    • 人的オペレーションの自動化
      画像認識AIを搭載したAIレジを導入することにより、レジ打ちの人員や店員の人手不足を解消している店舗も増えています。
    • 自動発注システムの導入
      これまで、小売業界における商品の発注は発注担当者の経験などによって決定されていましたが、AIを導入することによって商品の需要予測などの精度が高まります。このことにより、在庫を抱えるリスクなどを軽減することが可能になります。
  • 医療
    医療業界も、他業種と同じく人手不足が深刻化していると同時に、長時間労働問題などをはじめとする働き方改革も求められているのが現状です。そのような医療現場においても、AIを導入することによる効率化がますます求められています。
    • 問診や画像診断支援
      医療業界の中で、特にAI導入が進んでいる分野が「画像診断支援」です。AI医療における画像診断とは、これまで放射線科医が行ってきたCT、MRIなどで撮影した医療画像の診断をAIに行わせることによって、放射線技師や医師による診断を補助するものです。大量の画像データを学習し、分析することが可能になるため、画像診断の効率化に繋がります。
      画像診断できる臓器の部位も、これまでは限定的なものでしたが、下図のように診断ができるようになった範囲も広がっており、実用化が期待されています。

日常生活での応用例


ここまで、様々な産業におけるAIの応用例を紹介しましたが、もちろん私たちの日常生活においてもAIは活用されています。

  • 音声アシスタント機能
    iPhoneやiPadに搭載されている「Siri」や、Amazonが開発した「Alexa」などに代表されるAI音声認識サービスは、馴染みのある人も多いのではないでしょうか。音声認識・音声分析をすることにより、ユーザーの質問に対して返答したり、インターネット上で検索した結果を返してくれたりするサービスは、今では多くの人が使用しています。
  • お掃除ロボットやエアコンなどの家電
    部屋を掃除してくれるお掃除ロボットや、エアコンなどの家電にも、AIが搭載されているものが増えています。お掃除ロボットの場合は、AIによって部屋の間取りや家具の位置、障害物などを学習し、人間が掃除をするのと同じように効率よく掃除をし、さらに充電器の場所まで自ら戻るという動きをすることが可能です。
    また、最近はエアコンなどにも「AI搭載」と謳われているのを見かけたことのある人もいるのではないでしょうか。AIが搭載されたエアコンは、従来のようにただ部屋を冷やしたり暖めたりするだけではなく、センサーによって室内の壁や床の温度、湿度や人の位置などを感知し、最適な温度・湿度に保ってくれる機能がついているものが増えています。
  • 翻訳サービス
    「Google翻訳」「DeepL」といった翻訳サービスも、身近なAIサービスのひとつです。
    これらの翻訳サービスは、先述した自然言語処理技術を活用することによって、様々な言語を自然な文章に翻訳してくれるのが特徴です。またGoogle翻訳では、画像解析技術と合わせて画像にある外国語を翻訳してくれるサービスを利用できることもできます。これらは、AIの特徴である「ディープラーニング」の技術によって、翻訳の精度が向上していくのに期待できる点も特徴のひとつです。

生成AI

ここまで、AIについての概要や技術の種類、AIの活用例などを紹介しましたが、ここからは近年耳にする機会が増えてきた「生成AI」について紹介します。
「生成AI」とは、「Generative AI(ジェネレーティブAI)」とも呼ばれるAIで、指示に従って文章や画像、動画、音楽など、様々なコンテンツを新しく生成するAIです。
通常のAIと生成AIの一番の違いは、「オリジナルのコンテンツを一から作ることができるかどうか」という点です。通常のAIは、大量のデータを分析して特定の問題を解決するために用いられるのに対して、生成AIは無から有を生み出すことができるという特徴があります。生成AIの種類には、以下のようなものがあります。

  • テキスト生成
    テキスト生成AIは、文章を自動で生成してくれるほか、文章の要約などもできるため、記事作成やメール作成、大量の文章を簡潔に要約するなど、ビジネスシーンでも活躍します。「Chat-GPT」を筆頭として、Googleが開発した「Bard」など、それぞれ特色のあるコンテンツを生成することが可能です。
  • 画像生成
    画像生成AIは、テキストを入力することにより自分のイメージする画像を生成できるAIです。作りたい画像のイメージに沿ったテキストの指示に従って、自動的に画像が生成されるのが特徴です。サービスによって、アニメ風や実写風など、生成される画像のジャンルも異なるほか、テキスト生成AIと組み合わせたサービスや、生成された画像の加工に特化したサービスなど、サービス内容も多岐にわたっています。
  • 動画生成
    動画生成AIは、画像生成サービスと同じく、テキストを入力することにより自分のイメージする動画を生成できるAIです。手軽にクオリティの高い動画を作れるサービスが多いですが、日本語に対応しているサービスはあまり多くないため、今後は国内でも使いやすい動画生成サービスの登場が期待されます。
  • 音楽・音声生成
    音楽生成AIは、歌詞や曲調、曲の長さなどの指示に従って、音楽を生成できるAIです。また、音声生成AIでは、特定の音声データを学習させ、その音声データを使って新たな文章を読み上げたりすることが可能です。文章を音声で読み上げる技術は以前からありましたが、以前のものは機械が読み上げている不自然さが目立つ音声でした。近年では、AIのディープラーニングにより、人間が話しているような自然な音声の読み上げが可能となっているのが特徴です。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

AI技術をどのように活用していくか研究しています。AIに仕事を奪われると言われていますが、AIを使って仕事を増やして行ける方法を考えていきます。

コメント

コメントする

目次