現在メタバースの分野は、企業がデジタルイノベーションを起こすための有力な手段であり、新たなビジネス機会を創出しています。
メタバース空間の構築には、専門的な技術と創造力が求められ、メタバースを有効に活用するためには、メタバース制作会社の役割が重要になります。
この記事では、「メタバース制作会社をリサーチしたいけど時間がない」「どの会社に制作依頼するか悩んでいる」という方に向けて、メタバース制作会社の役割、国内外のおすすめメタバース制作会社をご紹介します。
この記事を読むことで、メタバース制作を検討する上で、必要な情報を得ることができるはずです。
メタバース制作会社の役割
メタバース制作会社の担っている役割は、いくつかあります。メタバース事業を拡大していく上で企業は、限定的な取り組みだけでなく、総合的な事業展開が必要になってきます。
- メタバースプラットフォームの開発
- コンテンツ制作とデザイン
- テクノロジーの統合
- ユーザーインターフェイスと直感的なナビゲーション
- カスタマイズとパーソナライゼーション
- セキュリティとプライバシー
1.メタバースプラットフォームの開発
メタバースプラットフォームは、ユーザー同士が交流し体験することができるメタバース空間の基本となるものです。
プラットフォームがなければ、ユーザーはメタバース内で活動することができません。
ユーザーにとってシンプルで、いかに使いやすいデザインや構造になっているかが重要となります。
2.コンテンツ制作とデザイン
ユーザーにとって魅力的なバーチャル体験を創出するために、コンテンツの制作とデザイン性が重要になります。
具体的な方法としては、、
コンテンツ制作
- いかにメタバース内で体験するシナリオやストーリーを丁寧に作成するか
- テキスト、画像、ビデオ、音声など、多様なメディアを組み合わせてコンテンツを豊かにする
デザイン性
- 高品質なグラフィック、リアリスティックな3Dモデリング、ボクセル風など
- 企業のブランドアイデンティティをメタバース内に反映
上述したように、制作企業はユーザーにとって魅力的で没入感のあるメタバース空間を作成していく工夫が必要です。
3.テクノロジーの統合
メタバース分野は、時代の最先端を走り、常に変化しています。企業は、最先端のテクノロジーの統合が求められています。
バーチャルリアリティ(VR)では、ユーザーに没入感のある体験をさせるためのVRヘッドセットやコントローラーの登場。
現実世界に仮想オブジェクトや情報を重ね合わせる拡張現実(AR)の技術。スマートフォンやARグラスを使用することで、リアルタイムにデジタル情報を現実世界に表示することができます。
4.ユーザーインターフェイスと直感的なナビゲーション
ユーザーフレンドリーなインターフェースと直感的なナビゲーションは、ユーザーの満足度とエンゲージメントを高めるために不可欠です。
具体的には、メタバース内での機能やオプションに簡単にアクセスできるメニューシステム。
メタバース内で容易に目的地に着くことのできるナビゲーション機能など様々なものがあります。
ユーザーファーストに考えられたシステムは、顧客満足度の向上に繋がります。
5.カスタマイズとパーソナライゼーション
カスタマイズとパーソナライゼーションとは、ユーザーが自分の好みやニーズに合わせて、メタバース内の環境や体験を調整できる機能です。
具体的なものとして、髪型、肌の色、衣装などを自由に変更できるアバターのカスタマイズ。
家具や壁紙、物の配置など自分好みの仮想空間のデザインなど。
ユーザーの満足度を上げるためには、ユーザーが自分自身を表現し、快適に活動できるような環境を作っていくことが大切です。
6.セキュリティとプライバシー
セキュリティとプライバシーは、ユーザーのデータを保護し、安全なメタバース体験を提供するために非常に重要なものとなります。
ユーザーに安全で安心してメタバース活動を楽しんでもらえるように、多段階認証、データアクセス管理、データ漏洩対応計画などの対策をメタバース制作会社は、実施していく義務があります。
そして、それらの対策がメタバースプラットフォームの信頼性に繋がっていくのです。
時代を先取るメタバース制作会社
ここでは、いち早くメタバース分野に参画し、時代を先取り今後のさらなる成長が予想されるメタバース制作会社をピックアップしました。
2023年のメタバースに関する動きを知るために、各企業の時価総額、メタバース関連の施策を簡単にご紹介します。
Meta(旧Facebook)
- 2023年12月5日時点で約834.77億ドルです。
- メタバース分野における収益は、2023年第三四半期の収益は、前年比で23%増の約341.5億ドルとなりました。
- アバターシステムの改善
基本的なアバターシステムを改善することに注力しています。 - AIとメタバースのインフラ強化
メタバース体験を向上させるために、AI専用のシリコンチップの開発に投資しました。 - 広告戦略へのAI技術の統合
広告の効果と効率を向上させるため、広告戦略にAI技術を取り入れました。 - 教育分野への取り組み
アメリカの大学と連携し、メタバース教育に力を入れています。
Microsoft
2023年12月時点で、Microsoftの時価総額は約2兆7560億ドルです。
これは、Appleに続く時価総額であり、世界で2番目に価値のある企業です。
- 産業メタバースの進展
製造、医療、小売、エネルギー、持続可能性などの業界における産業メタバースの開発に注力しています。また、2024年産業メタバースの関連事業をサポートしていく予定です。 - Metaとのパートナーシップ
2023年7月にMicrosoftはMetaと業務提携しています。これにより今後のさらなるAI技術を活用したメタバース分野での進展が予想されます。
Apple
2023年12月時点で、Appleの時価総額は約3兆ドルです。
Appleは時価総額に基づいて世界で最も価値のある企業と評価されています。
- Apple vision proの発売
仮想現実 (VR) と拡張現実 (AR) の両方の要素を組み合わせた複合現実ヘッドセットであるApple Vision Proが2024年3月に発売予定です。
このヘッドセットの発売は、拡張現実(AR)に精力的に取り組んでいるAppleにとって重要な技術的な進歩です。
Decentraland
2023年現在、Decentralandの時価総額は約8億9987万4501米ドルです。
- メタバースファッションウィーク(MVFW)2023の開催
2023年3月28日から31日まで開催され、伝統と未来を融合した“Future Heritage”をテーマに挙げ、ドルチェ&ガッバーナやトミーヒルフィガーなどの高級ブランドが参加しました。 - 音楽アーティストとのコラボレーション
定期的にメタバース空間を利用したDJアーティストとのイベントを開催。 - リアルタイム仮想教育の導入
2023年12月、オンライン教育の可能性を広げることを目的としたDecentralandに教育プラットフォームを構築するプロジェクトが始まりました。
NVIDIA Corporation
2023年12月1日時点で、時価総額は約1155.1億ドルです。
- Microsoftとの業務提携
2023年3月、Microsoft 企業 ユーザーにクラウド経由で強力な産業用メタバースおよび AI スーパーコンピューティング リソースへのアクセスを提供することを発表しました。 - NVIDIA Omniverseの大幅アップデート
2023年メタバースプラットフォームであるNVIDIA OmniverseをOpenUSDフレームワークと生成AIを使用し、アップデートされました。
Unity
2023年12月時点で、時価総額は約124.2億ドルとなっています。
- ビジネスとEコマースのメタバース応用
Unityは2025年までにBtoBセールスの大半がWeb3を活用したデジタルチャンネルで行われると予測し、ビジネスの特にマーケティングとEコマースの分野にメタバースを取り入れることに注力しています。 - デジタルツインとゲームサービスの統合
ゲーム開発だけでなく、産業分野でのカスタムメタバースおよびデジタルツインソリューションの開発に取り組んでいます。
Sandbox
2023年12月時点で、The Sandbox(SAND)の時価総額は約10億9000万ドルです。この時点でのSANDトークンの価格は約0.517ドルとなっています。
- パートナーシップの拡大
これまでに700以上の多様なパートナーを集め、グローバルブランドがメタバースに参加するための支援を行っています。 - クリエイターツールの多言語化
SandBoxは様々なクリエイターの参画を増やすため、VoxEditやGame Makerなどのクリエーターツールを10言語にローカライズし、アセットと体験の作成をさらに容易にしました。 - パートナー リソース HUBとパートナー ディレクトリの立ち上げ
これは、2023 年のロードマップの公表に合わせて発表され、代理店とブランド間のマッチングを支援し今後の連携の強化に繋がるとされています。
Epic Games(Fortnite)
2023年12月時点で正確な時価総額は公表されていませんが、2021年の資金調達ラウンドで約287億ドルとされていました。
- Unreal Editor for Fortnite (UEFN)のリリース
ユーザーはメタバース空間を自由にカスタマイズ、公開することができるようになりました。UENFは、Fortniteのメタバースプラットフォームとして、今後大きな役割を果たします。 - クリエイターエコノミーの強化
クリエイターエコノミー2.0を開始し、エコシステム内で作成されたカスタムコンテンツに対して収益の40%をクリエイターと共有することとしました。 - MetaHuman Animatorの導入
iPhone と PC だけで高品質に人間の顔をキャプチャできるツールとして、MetaHuman Animatorを導入しました。これによって、仮想アバターの顔のアニメーションをリアルタイムでコントロールすることを可能になりました。
Roblox Corporation
2023年12月8日時点でのRoblox Corporationの時価総額は、約254.7億ドルとなっています。
- アバター作成ツールの強化
Robloxはアバター作成ツールを改良し、アバター作成のプロセスが効率的になりました。 - 表現力豊かなアバター
アバターの感情表現に焦点を当て、手のジェスチャーや上半身の動きを含むアバターの機能拡張に取り組んでいます。 - デバイスの拡張
Meta QuestやPlayStationを含むさまざまなデバイスでプラットフォームを利用可能にし、アクセシビリティを向上させています。 - Assistantという会話型AIを発表
Assistantは、Roblox StudioおよびCreator Hubで利用可能になる予定で、クリエイターが効果的に学習、コーディング、ビルディングを行うのを支援します。 - AIによるアバター作成ツールの導入
アバター作成のさまざまな側面を自動化するための機械学習(ML)を活用したツールをリリースする計画です。
Tencent Holdings Ltd
2023年12月時点で、Tencent Holdings Ltdの時価総額は約3713億4千万ドルです。
- 拡張現実(XR)部門の設立
2022年6月、メタバースの世界を探求するために「拡張現実」(XR)部門を正式に設立しました。 - 没入型バーチャルリアリティ体験の創造
Tencentは、今後数年間で、ソフトウェア、コンテンツ、システム、SDKツール、ハードウェアなどを積極的に実験し、業界のベンチマークとなるバーチャルリアリティ体験を創造することを目指しています。
国内メタバース制作企業の台頭
今までは、海外の企業をご紹介してきました。続いて日本国内で、メタバース関連技術の開発やサービス提供に従事している企業についてご紹介します。
HIKKY
HIKKYは、2018年5月に設立されましたオープンメタバースを設計、制作だけでなく運営もサポートするコンサルティング会社です。
2023年12月現在の時価総額は、約4.5億ドルと言われています。
- バーチャルマーケットの開催
バーチャルマーケット(Virtual Market)というメタバース上で、世界最大規模のオンラインイベントを開催しています。
2023年7月に開催されたバーチャルマーケット2023 Summerは、10回目の開催となり、世界中から約120万人の来場者を記録しました。 - ChatGPTとの連携による実験機能を導入
メタバース空間ないでChatgptを使用し、テキストチャットでコミュニケーションできるAIキャラクターを設定できる機能を追加しています。
Cluster
2015年に設立されたスマートフォンやPC、VR機器など様々な環境からバーチャル空間に集って遊べるメタバースプラットフォームです。
2023年12月現在、時価総額は約15万ドルです。2023年5月に52億円の資金調達をしたと発表しています。
- メタバース空間を利用したイベント開催
スマホフィルムフェス、ラジオ、自衛隊体験など様々なイベントが開催されています。 - オープンキャンパスの開催
2023年11月にアミューズメントメディア総合学院で、バーチャル空間の作り方を直接教えてもらえる体験型オープンキャンパスを開催しました。
XANA
XANAとは「AI×メタバースインフラを全ての人へ」を掲げるWeb3プラットフォームです。
XANAの2023年12月時点で時価総額は、2500万ドルです。
- 鳥取県にメタバース課立ち上げ
2023年2月に自治体初のメタバース課を立ち上げ、AIアバター職員「YAKAMIHIME」が就任しました。 - メタバースWeb3ゲーム「NFTDuel」の立ち上げ
NFTDuelは、世界的に有名なIPをNFTトレーディングカードWeb3ゲームです。ULTRAMANや鉄腕アトムなどの有名なキャラクターとコラボレーションしています。 - ピッチコンテスト『スタートアップ・カタパルト』で入賞!
ICCサミット KYOTO 2023 のピッチコンテスト『スタートアップ・カタパルト』でCEOのRio氏が登壇し、入賞しました。 - 『BreakingDown9.5』のメインスポンサーに!
2023年10月8日に開催した『BreakingDown9.5』のメインスポンサーにXANAが就任。
メタバース制作企業の選び方
ここまで、現在メタバース制作企業を紹介してきました。
では、メタバース制作企業を選定する際、気を付けるべきポイントはどこでしょうか?
メタバース企業の選定に失敗しないために、チェックすべきいくつかのポイントをご紹介します。
- 高い技術力と専門性
- 過去の実績とポートフォリオ
- カスタマイズと柔軟性
- コストと価格設定
- サポートとメンテナンス
1.高い技術力と専門性
メタバースを開発していくには、高い技術力が必要です。
VR(仮想現実)、拡張現実(AR)、3Dのモデリング、ゲームエンジンの使用など様々なスキルが複合しています。
しっかりと専門知識を持ったチームがあり、確実に開発に取り組んでいけるか確認する必要があります。
2.過去の実績とポートフォリオ
企業が過去に手がけたプロジェクトや作品を確認し、そのクオリティや多様性について評価することが大切です。
3.カスタマイズと柔軟性
企業のニーズに合わせて,メタバース空間をカスタマイズできるかどうかは重要です。
柔軟性があり顧客のニーズに合わせて、顧客の要望に応えることのできる企業を見つけることが大切です。
コストと価格設定
プロジェクトの予算に合わせた価格設定が重要です。
まだまだ成長段階のメタバース事業。コスト効率に見合わないメタバース制作会社も存在します。
制作会社の将来性と事業の売り上げ予測を把握した上で、制作会社を選択していく視点が必要になってきます。
サポートとメンテナンス
現時点で完成されたメタバース制作会社は、数少なく、ほとんどの企業が開発途上です。
メタバース作成後も継続的なサポートとメンテナンスが大切です。
メタバース事業を通して、長期的な関係を築いていける会社を選択することで、将来的な問題にも迅速に対応することができます。
まとめ
現在メタバース業界を牽引している制作会社と制作会社を選ぶ上で、大切なポイントをご紹介してきました。
一概にメタバースと言っても制作会社によって、メタバース空間やアバターのデザイン、操作性、追加機能などそれぞれの特徴があります。
制作会社を選ぶ際、事前のリサーチと自社の目的や戦略にあった会社を選ぶことが、自社の事業展開や収益向上に繋がります。
この記事が少しでも皆さんの参考になれば幸いです。最後まで読んで頂きありがとうございました。
コメント