メタバースアイドルとVチューバーアイドル:デジタルエンターテイメントが向かう先は!?

Web3、メタバース、AIなど次世代のインターネット技術の進歩が飛躍的に進んでいます。

次世代インターネットの発展の流れを受け、デジタルエンターテイメントの世界でも新たな変革期を迎えようとしています。

その中で、メタバースアイドルとVチューバーアイドルという2つの異なるアイドルエンターテイメントをご存知でしょうか?
この2つのアイドルは、メタバースやAIの成長と共に将来的に新たな経済圏を創出する可能性を秘めています。

この記事では、メタバースアイドルとVチューバーアイドルについて、2つのアイドルの違い、それぞれの将来性について解説しています。

メタバースアイドルやVチューバーアイドル業界に参入を検討している個人事業主や企業の方に参考にしていただけると嬉しいです。

目次

メタバースアイドルとVチューバーアイドル

メタバースアイドルとは?

メタバースアイドルとは、Web3の技術であるブロックチェーン、NFT、AIを活用しメタバース空間での活動を主としています。

メタバース空間の中でデジタルアバターを使い、直接ファンとの対話やパフォーマンスを行うことができます。

音楽、歌、ダンス、トークショー、ゲームプレイなど活動の幅は、多岐にわたっています。

Vチューバーアイドルとは?

Vチューバーアイドルとは、2Dや3Dのアニメーション化されたキャラクターを使ってインターネット上で活動するデジタルエンターテイナーです。
個人やグループで活動し、顔出しをしないため、誰でも自由に活躍することができます。

YouTubeなどの動画配信プラットフォームで歌、ゲーム、トークなど様々なコンテンツを提供し、ファンと交流しています。

メタバースアイドルとVチューバーアイドルの違い

現存しているメタバースアイドルとVチューバーアイドルの違いはどこにあるのでしょうか?
いくつかのポイントに絞って、解説していきます。

①活動するプラットフォームの違い

メタバースアイドル

メタバース専用のプラットフォームやVR、ARを活用した3D仮想空間で基本的には活動します。
具体的な例として、フォートナイトやデセントラランドなどのメタバースプラットフォームが挙げられます。

2023年11月バーチャルアイドル「SO.ON project LaV」がフォートナイトのメタバース空間内でバーチャルライブを開催しました。

Vチューバーアイドル

YouTubeやTwitchなどの既存の動画配信プラットフォームを中心に活動します。

ライブストリーミングや動画投稿を通じて、視聴者と対話する形式が一般的です。
ホロライブやにじさんじのメンバーは、これらのプラットフォームを使って幅広いエンターテインメントコンテンツを提供しています。

②ファンとの距離や交流の仕方の違い

メタバースアイドル

ファンはメタバース内で自分のアバターを操作して、アイドルと直接交流することができます。
コンサートやイベントでのインタラクティブな参加が可能で、実際に「そこにいる」感覚を体験できるでしょう。

メタバース空間内で、リアルタイムにアイドルと交流し、イベントを楽しむことができるので、今までにない価値体験を提供することができます。

Vチューバーアイドル

コメントやスーパーチャットを通じたリアルタイムのインタラクションが中心です。

ファンはテキストやデジタルギフトを送ることで、Vチューバーとコミュニケーションを取ります。
2017年にライブ配信に対して導入されたYouTubeの「スーパーチャット」やTikTokの「投げ銭機能が代表的です。

直接的なインタラクションは限定されていますが、各ユーザーが個人的なやり取りを楽しむことができます。

③提供する体験の違い

メタバースアイドル

メタバースアイドルは、仮想世界でのライブパフォーマンスやイベント参加、デジタル商品の購入など、没入感のある体験を提供することができます。

メタバースの中では、宇宙空間、ファンタジーの世界、近未来などどんな世界も表現できることが大きなメリットの1つです。

さらに、ユーザーは自分の理想の外見や特性も持ったアバターに変身し、メタバースアイドルと同じ空間で、同じ時間を過ごすことができます。

Vチューバーアイドル

ゲームプレイの配信、歌、トークショーなど、多様なコンテンツを通じてエンターテインメントを提供します。
視聴者は画面越しにこれらの活動を観察し、コメントを通じてアイドルと交流を図ります。

④技術基盤の違い

メタバースアイドル

メタバースアイドルは、VRやARなどの先進技術を使用して、3Dの仮想空間での表現に重点を置いています。
これにより、ファンはよりリアルな仮想体験を楽しむことが可能になります。
メタバースアイドルを成り立たせる技術として、以下のものが挙げられます。

  1. VR(仮想現実)
  2. AR(拡張現実)
  3. ブロックチェーンとNFT
1.VR(仮想現実)

ユーザーが完全に没入できる3D環境を提供します。

Meta社が発売しているMeta Quest3などのヘッドセットを使用して、メタバース内でのリアルタイムのイベントやコンサートに物理的に参加する感覚を得られます。

2.AR(拡張現実)

現実世界にデジタル情報を重ね合わせることで、スマートフォンやARグラスを使用して、現実の環境内でメタバースの要素を体験することができます。

2024年2月Apple社のAppleVisionProが発売されました。
より拡張現実が私たちの生活の中の身近なものになっていくかもしれませんね。

3.ブロックチェーンとNFT

ブロックチェーンとNFT技術は、メタバース内の経済活動を支える技術です。

この技術により所有権や独自性が保証され、メタバース内のアイドルグッズ、アバターの衣装やアイテム、さらにメタバース内で作成されたワールド空間でさえ売買が可能になります。

Vチューバーアイドル

主に2Dまたは3Dアニメーション技術を活用し、キャラクターの表情や動きをリアルタイムに映し出すことで、視聴者とのエンゲージメントを図っています。

Vチューバーアイドルの代表的な技術として、3つのものがあります。

  1. Live2D/3Dモデリング
  2. モーションキャプチャー
  3. AI技術
1.Live2D/3Dモデリング

Live2Dと3Dモデリングは、バーチャルキャラクターやアニメーション制作において広く使用される技術です。
これらは、キャラクターに生命を吹き込み、リアルタイムアニメーションに使われ,表情や口の動きがユーザーの動きに同期し、自然な表現が可能になります。

2.モーションキャプチャー

モーションキャプチャーは、実際の人間の動きをデジタルデータとして捉え、それをコンピュータ生成のキャラクターやアニメーションに適用する技術です。

アクターやパフォーマーの体に複数のセンサーやマーカーを取り付け、彼らが行う動作を3D空間内で正確に記録します。
記録されたデータはその後、3Dモデルにマッピングされ、キャラクターがリアルな人間の動きを模倣することを可能にします。

3.AI技術

2024年現在生成AIなど、AIの技術が飛躍的に進化しています。その中でVチューバーでもそのAI技術が活用されています。

代表的なものとして、自動字幕生成や音声認識、キャラクターの自動応答システムなどがあります。

2024年1月に「AITuber」が、AI技術を用いて配信活動を全自動化を実現させています。

メタバースアイドルとVチューバーアイドルの実例

ここでは、実際に活躍しているメタバースアイドルとVチューバーアイドルをご紹介します。

注目のメタバースアイドル

めたしっぷ

2023年1月に結成したテレビ朝日発のメタバースアイドルが「めたしっぷ」です。

4人組のアイドルグループで、デビュー曲は『メタメタオーライ!』です。
2023年3月に幕張メッセで開催された日本最大級のバーチャルフェス「VTuber Fes Japan 2023」にも出演しています。

ドコカノうさぎ

美少女になりたいという思いが高じてバーチャル美少女として2018年1月ごろからVTuberをしているドコカノうさぎさん。
現在は、VTuberという枠を超え、メタバース空間での活動も精力的にしています。

人気VTuberアイドル

ここでは、2023年時点でYouTube登録者数が上位で、現在も活躍しているVTuberアイドルをご紹介します。

がうる・ぐら

国内のVTuber事務所であるホロライブプロダクションに所属し、英語圏を中心に活動する部門『ホロライブEnglish』の初期グループメンバーです。

YouTube登録者数432万人、Xアカウントのフォロワー189万人。
国内での愛称は「サメちゃん」。国内だけでなく世界中で人気のVTuberです。

キズナアイ

Kizuna AI株式会社に所属。元祖VTuberであり、VTuberの業界に精通していなくても一度は聞いたことのある超有名なVTuberアイドルです。
YouTube登録者数が303万人Xアカウントフォロワー64.5万人
キズナアイは、「中の人」がAI(人工知能)であると自称しており、他のVTuberアイドルとは一線を画しています。

メタバースアイドルの将来性

メタバースアイドルの将来性は非常に高く、ユーザーを惹きつけ、収益拡大の可能性を秘めています。

この収益拡大が期待される理由を以下の3つの項目に分けて説明します。

  1. デジタル化と没入型エンターテイメントの需要増加
  2. 多様な収益化モデル
  3. 技術進化とコスト効率の向上

1.デジタル化と没入型エンターテイメントの需要増加

デジタル技術の進化に伴い、人々が没入型のエンターテイメントを求めています。
メタバースは、この需要に応える技術として関心を集めています。

そんな中メタバースアイドルは、アバターを通じて参加と体験を提供しファンに独特の体験をもたらすものとして、非常に注目されています。

この新しい形態のエンターテイメントは、デジタル化と没入型体験への需要増加を背景に収益性を高める可能性があるのです。

さらにメタバースは、地理的な制約を超えて世界中の視聴者にリーチし、メタバースアイドルのファンベースをグローバルに拡大する機会を提供する可能性を秘めています。

2.多様な収益化モデル

メタバース内での活動は、アバター関連グッズやデジタルコンテンツの販売を可能にし、低コストで高利益を実現することができます。

さらに、メタバース内のコンサートやファンミーティングなどのイベントは、チケット販売や参加費により収益を生み出し、再現性のある継続的な収益源となります。

また、メタバースアイドルはブランドや商品のプロモーションに独自の価値を提供し、企業とのスポンサーシップや広告契約が新たな収益機会を生み出すことにつながるでしょう。
これらの戦略がメタバースアイドルによる収益の多角化と拡大を可能にしています。

3.技術進化とコスト効率の向上

VR(バーチャルリアリティ)、AR(拡張現実)、AI(人工知能)などの技術は、日々発展しており、今後さらなる成長が予想されます。

技術の進化に伴い、よりリアルで感情的な繋がりをファンと築くことが可能になり、ユーザーのロイヤリティと消費意欲を高めることができるでしょう。

Vチューバーアイドルの将来性

Vチューバーアイドルもメタバースアイドルと同様に、今後将来的に事業や収益の拡大が予想できます。
収益拡大が見込まれる主な理由以下の3つの項目に分けて説明します。

  1. デジタルメディアとエンターテイメント消費の変化
  2. 多様な収益化手段
  3. グローバルマーケットへのアクセス

1.デジタルメディアとエンターテイメント消費の変化

近年、消費者は従来のテレビや映画といったエンターテイメントの形態から、ユーザーのニーズにいつでも応えられるアクセス可能なデジタルコンテンツへと移行しています。
Vチューバーアイドルは、YouTubeやTwitchなどのプラットフォームを利用して、いつでもどこでも視聴可能なコンテンツを提供し、これが視聴者基盤の拡大と収益増加に直結します。

さらに、リアルタイムのストリーミングやチャットを通じた直接的で相互の体験は、視聴者のエンゲージメントと関心度を高め、これが広告収入、寄付、メンバーシップ料金などの形で収益化へと繋がっていくでしょう。

このように、Vチューバーアイドルが消費者のニーズに応える新しい形態のエンターテイメントとして、収益の拡大が見込まれる要因の1つです。

2.多様な収益化手段

Vチューバーアイドルの収益化の方法として、直接的なものと間接的なものがあります。
直接的なものとして、広告収入、スーパーチャット、チャンネルメンバーシップ、パトロンサポート(Patreonなど)があります。

これらの収益源は、Vチューバーアイドルの知名度が上がり視聴者が増加すればするほど、より大きな収益につながる可能性があります。

3.技術進化とコスト効率の向上

メタバースアイドルと同様、Vチューバーアイドル業界でも技術の進歩が大きな変化をもたらすことが予想されます。
特にAI技術の進化は、コンテンツ制作の手間を減らし、より多くの個人がVチューバーとしてデビューできるようになることで、業界の多様性と競争力を高めるでしょう。

さらに、VRやARなどの技術との組み合わせにより、視聴者に提供されるエンターテイメントの質が向上し、新しいファン層を獲得する可能性があります。

まとめ

この記事では、メタバースアイドルとVチューバーアイドルについて解説してきました。
メタバースアイドルとVTuberアイドルの特徴や違いを説明してきましたが、将来的にそれぞれの垣根を越え、デジタルと現実が融合した新しいアイドルの「かたち」が生まれるかもしれませんね。

今後発展していくエンターテイメントの未来を想像し、皆さんと一緒に楽しんでいけたら幸いです。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

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この記事を書いた人

Web3、メタバース、AI関連をメインにライター業しています。
XANAが描く未来を応援しています。

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